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グアンタナモ、僕達が見た真実

Photo_263 ずっと見たかった「グアンタナモ、僕達が見た真実」です。

パキスタン系イギリス人のアシフは、結婚式を挙げるため友人のローヘル、シャフィク、ムニールを誘い、パキスタンへ向かった。そこで隣国アフガニスタンの様子を知った彼らは、実情を見るために国境を越える。その直後、米軍の空爆が始まった。混乱の中、ムニールは行方不明になり、残った3人はタリバンとまちがえられ、捕虜になる。やがて彼らの素性を怪しむ米軍により、3人はキューバのグアンタナモ基地へと移送される…。 (映画生活)

案の定あらすじを読まずに観たので、友人の結婚式に参列するために向かう若者2人と、花婿が隣国アフガニスタンで「戦争をやっている」という情報を聞き、寄り道してみようと行ってみたら巻き込まれちゃった。という話…ですよね。なんだかわかりにくい部分もあったので、終わってからあれこれと考えてしまいました。

アメリカ側から見た湾岸戦争の映画は一通り観ていました。
本作はその逆の、アフガニスタン(といっても当事者はパキスタン人だけど)側から見た湾岸戦争の映画ということでかなり興味がありました。内容は「案の定…」と言った感じの内容でしたが。(つまらなかったというんじゃなくて)

全体的に、起こる出来事を淡々とドキュメントタッチで綴った映画です。だから浮き沈みはさほどかんじられませんが、普段あれだけ「人権、人権」と大声張り上げて言っているアメリカが、やっぱり本作の中で「人権無視」な行動を取りまくっていました。
「そんなの戦争になればどこの国もそうなんじゃないの」とも思います。日本だって、つい最近も刑事が無実の人間を犯人に仕立てあげた事件が、ニュースでやったばかりですから。でも本当にどの国もそういうもんなんでしょうか。

私の父がインドへ旅行に行ったとき、人種も生活も違う貧しい村人達になんのメリットも求められず何度も助けられた話を思い出しました。それを聞いて「バベル」を観たとき「ああ、やっぱりそうなんだ」と思いました。貧しい国の人間て、自分の利益云々以前に体や感情が動いちゃうんでしょうね。「何とかしてあげなきゃ」と、直感で思うんでしょう。きっと、生まれてからずっとそういう生活をしてきたからなんでしょうね。

…と、話がそれましたが、なんだか本作を観ていて、戦争云々とかの以前にもっと学ぶべき事が沢山あるんじゃないなぁと、またまた深く考えてしまいました。

本作が良い映画かどうかはよくわかりませんが、こういう映画を観ると色んな事に気付かされます。観て良かった。

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ラッキーナンバー7

1rakkinannba「ラッキーナンバー7」です。

仕事はクビ、彼女は浮気、事件でアパートが閉鎖される、と史上最悪な一日を過ごしたスレヴン。友人ニックの家を間借りするが、借金の取立てにやってきたギャングにニックと間違われ、ボスのもとまで連れていかれる。度重なる“偶然”の不運。しかしそれは何者かに仕組まれたものだった…。(映画生活)

本作、久々に「王道呼べるサスペンスみたなぁ~♪」て感じの映画でした。これぞ映画の醍醐味!って感じの作品です。とにかく前半のコミカルさが実に軽快!
そして、登場人物を絞ることで観客の頭の中に「こうなるだろう」という予感をさせておいて、見事後半で大逆転をさせてしまう。軽い映画に見せかけて、実は結構ハードボイルドな映画でした。しかも伏線もしっかりしてる~☆

そしてそして、意外とよかったのが誰であろうブルース・ウィリスでした。
彼のジワ~ッと滲み出てくるような表情の演技(演技なのか?)がこれまたイイ。本作の殺し屋役にとても合ってました。

ジョシュ・ハートネットは、イケメンのくせにそれに媚びることなくしっかりと演技をしてくれるのでやっぱり好きです。

しかしルーシー・リューの身長って155センチくらいなんだって。アタシより小さいんだ。へー。

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モンスターハウス

Photo_262 「モンスターハウス」です。

ハロウィンの前日。12歳の少年DJは、向かいのネバークラッカーの家を観察していた。すると誰もいないはずのその家で、奇怪な現象が起きているのに気づく。親友のチャウダーと確かめに行くが、その家は生きたモンスター・ハウスだった…。(映画生活)

公開時から人気のあったCGアニメです。しかも題材は「ハロウィン」。ホラー好きなら見ておかないと。
思っていたよりは子供が楽しめそうな内容でした。もう少し大人でも楽しめるかと思っていたんですが、ネバークラッカーさんの過去のお話やノドチ○コの話など、面白いエピソードが備わっている割には、全体的な話の作りがちょっと単調かなと。それでもクセのあるネバークラッカーさん(声はブシェミ!)は良かったです。

それとペットボトルに入れたオシッコ、とっても気持ち悪くなりました…。ああいうの…苦手。男の子はみんなこういう事するの?オ、オエー…。

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イカとクジラ

Photo_261 「イカとクジラ」です。

夫婦揃って作家というスノッブな両親が突然の離婚。子供たちの心配は「猫はどうするの?」(gagaより)

本作の監督は「ザ・ロイヤルテネンバウム」のウェス・アンダーソン監督が認めた新進気鋭の監督だそうですが、私、そういや「ザ・ロイヤルテネンバウム」嫌いなんだよね…^^;
そんな不安を抱きつつ鑑賞しましたが、やはりアンダーソンぽい作風にちょっとうんざりしてしまいました。
登場する主家族は普通にダサくて、別居が決まった途端浮気する両親と、マジメな息子達のかわいげのない反抗態度に全く興味が沸かなかったです。
それと特有とも言えるこの動きのないカメラワーク。しかも、いちいちしゃべる人間の顔をアップにする昔っぽい技法は本当に私苦手…。

ラストで「イカとクジラ」について出てくる以外はあまり面白い物ではありませんでした。
子役二人は良い演技だったと思います。

ウェス・アンダーソンが好きな人限定な映画では…。

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インファナル・アフェアⅡ

Photo_260 「インファナル・アフェアⅡ」

前作「インファナル・アフェア」の続編。 …要はビギニングですね。(映画生活)

始まり当初、主役二人の名前を忘れていたので、役者が変わって誰が誰だか困惑してしまいました。でもリップスライムのペス似のチョン(マフィア・サムの子分)が出てきたことでやっと理解。ふ~。(苦笑)
しかも「ディパーテッド」では本作の断片を利用されていたんだ~という事もやっと知りました。同じような絵が沢山あったもの。それを「ディパーテッド」ではそのまま利用しただけだったのね。安易だなぁ。

今回初登場となった、サムの妻マリー。彼女の存在が本作のちょっと大きなポイントになってました。マリーの名前に違和感を感じつつも、本編は進んでいきます。しかもマリーとヤンの上司であるウォン警部。なんかあるのかな。肉体関係?いやそれは無いのかな。でもなんとなく近い存在のような気も…。
そんな感じで、なかなか核心に到達しないのか、しているのか。ちょっと私には、いろいろとわかりにくい点が多かったですが、多分1と比較して見ちゃってるのでしょうね。
あと、「香港返還」というのも本作の大きなポイントとなっていました。

今回は主役二人よりも、その背景にポイントを置いた作品だったため、「インファナル~」の核心へ結ぶ、まさに「序章」の映画だとも言えます。

とりあえず「Ⅲ」も見ないとダメですね。^^

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パプリカ

Photo_259 「パプリカ」です。

主人公は二面性を持つ女性。美貌のサイコ・セラピストと、美少女夢探偵として、摩訶不思議な空間に見る者をいざなう。いまだ未知の領域でありつづける夢の領域を舞台にしたストーリーは、筒井ならではの着眼点と発想の豊かさで、めまぐるしく展開する。(映画生活)

今敏映画は好きです。映像が細かくて綺麗だし幻想的だけど、どこか男っぽい印象のある作品が多いです。でも主人公はみんな女性。

本作もそれらと同様で、夢探偵をしている妄想の中住人パプリカと、精神医療研究室で働く敦子は男性の理想とする女性像をしています。幼い顔立ちのクセにやたらと色っぽいパプリカと、笑わず真面目な30代(おそらく)の美女・敦子。そしてパレットいっぱいの色彩を駆使した映像美はやっぱり流石としか言いようがありません。

が…

音楽もポップでかわいらしいんですけど、ちょっと設定というか出てくるキャラも話の流れも古くないですか。なんかどこかで見たことある…。まるで「攻殻機動隊」と「ザ・セル」を足して割ったような…これではちょっと新鮮味が足りないのでは?と思ってしまいました。それと、登場人物が少なく皆身近な人ばかりというのも、本作の世界を縮ませていてなんとも勿体ない。

でもパプリカの動きや映像はやっぱり美しかったです。

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D.O.A デッドオアアライブ

Photo_258 やっと観れた!「D.O.A」です!

全世界で700万本以上を売り上げた人気格闘アクションゲーム「DEAD OR ALIVE」を原作にした作品。ゲームでは3DCGで描かれた美女たちが大暴れするが、この映画の見どころもやはり美女たちの格闘アクションだ。(映画生活)

公開時の1月から待ってました^^地方では相変わらず上映は無かったので。
しかし私自身、このゲーム(アーケード?)をやったことがないので、キャラの個性が「見た目でしか判断できなかった」のが致命的だったのか、いまいち最後まで盛り上がらず…な印象を受けてしまいました。しかもこのゲーム、やりたくてもなかなか見当たらないのよ。もう無いの?

もっとそれぞれの得意技を出しまくった映画かと思っていたのに、D.O.A主催者の陰謀を打ち砕くのが目的の内容だったのがガッカリ。ゲームもそうなのかわからないけど、どうせ露出度の高いねぃちゃん達を使うなら、もっと彼女たちにアクションさせて欲しかったです。しかも男達弱すぎだし。なんかタイトル負け?これなら「エレクトラ」の方が数段ゲームっぽくて面白いわ。

個人的に一番面白かったのは、それぞれの登場シーンとD.O.Aで勝負している姿をモニターで映し出されているところ。まさにゲームの世界って感じでワクワクしました!

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武士の一分

Photo_257 「武士の一分」です。

毒見役の下級武士、三村新之丞は、美しい妻・加世と中間の徳平と平和な毎日を送っていた。ある日、毒見の後、新之丞は視力を失うほどの病気を負い、武士として役に立たない体になってしまい…。(映画生活)

「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」「武士の一分」と、藤沢周平3部作の最後です。
「たそがれ~」で貧乏武士の心に秘めた強い武士魂に感動し、「隠し剣~」で単なるエンターテイメント映画として肩すかしを喰らった後の本作。さほど期待はしていませんでしたが、ぶっちゃけ「やっぱこんなもんか」という感想を抱いてしまいました。

キムタク演じる下級武士新之丞、前半は新鮮で良かったですが、後半の真剣勝負となるとどうも空気が張りつめず、単なるTVドラマを観ている気分になってしまいました。残念。

しかし大好きな山田洋次監督なだけあって、相変わらずご飯がおいしそう。(笑)
徳平が食べるお新香もナスの味噌煮も質素だけど、とても美味そうでした。イモガラの煮物は私も大好き!でもなかなか手に入らないんですよ。
脇を固める俳優陣もいいですね。それぞれの個性をフルに使っています。

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ゾディアック

Photo_255 デビット・フィンチャー監督「ゾディアック」です。
私の大好きなジェイク・ギレンホールが主役!

未だ未解決のゾディアック事件を題材としたサスペンススリラー。

ゾディアック事件のあらすじ→1969年、ドライブ中のカップルが襲撃され、女性は死亡、男性も重症を負う事件が起こった。その1ヵ月後、新聞社に事件の犯人と思しき人物――後に“ゾディアック”と名乗る男から犯行を告白する手紙と暗号文が届けられる。曰く、暗号文を新聞に載せないと大量殺人を決行するという。暗号は新聞に掲載され、新聞記者のエイブリーや風刺漫画家のグレイスミスは“ゾディアック”の謎解きに並々ならぬ関心を見せていくのだった…。 (映画生活)

冒頭10分で第一の被害者が殺されます。このシーンで、犯人の冷酷さが瞬時に理解脳に入ってきました。恐ろしいほど非情なワンシーンです。フィンチャーのこの冷酷無比なカメラワーク、大好きです!(でも「セブン」はそんなに好きじゃないけど)
そして本作は「未解決事件のドキュメントタッチ」な映画だと聞いていたので、「これは派手な映画じゃない」と予想していたのが功を奏したのか、個人的にはとても楽しんで最後まで観ることができました。

未解決事件映画の場合、見どころは事件に関わった人物や、物事の背景やそれぞれの動きや演技にあると思います。そして、本作はサスペンススリラーなのだから、緊張感や謎の追求、登場人物と観客が一緒になって事件を最後まで見届けられるよう、絶対の集中力を欠かさせてはいけないのが、フィンチャーの仕事だと思っていました。そして本作。見事、その観客の心理をモノにしていたように私は思いました。

役者の起用としてもハスキー声刑事のマーク・ラファロ、イラストレイターの主人公にジェイク・ギレンホール、そしてカリスマ記者だったロバート・ダウニー・Jr.(!)。私の大好きな個性派俳優が揃ってるあたりも、本作の魅力を1ランク上げた要因となってました。そしてみんな好演でしたし。DVDになったらもう一度観たい映画です。

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ヘイフラワーとキルトシュー

Photo_254 「ヘイフラワーとキルトシュー」です。

ジャガイモの研究で頭がいっぱいのパパ、家事のできないママ、かなりわがままな5歳の妹。そしてそんな一家を支える7歳の女の子ヘイフラワー。彼女はあと1週間で小学生になるが、果たして家族はどうなってしまうのか。フィンランド発、心温まるファミリー・ムービー。(映画生活)

ま、ね。怪物だのギャングだの女のインモラスだのばかり観てるのもナンなので、赤ちゃんの為に観ました。で、本作ですがまあまあでした。
我が儘な次女のキルトシューとしっかり者の長女キルトシュー。そしてダメダメな両親と隣に住む姉妹。映像はとってもポップで出てくる人達にも嫌み一つ感じられず、観ていてとても楽な映画です。まさにファミリームービー。

ギトギト好きの私には勿論物足りない内容ではありましたが、それでもヘイフラワーとキルトシューの動きや発想がかわいく、最後まで観ることが出来ました。特にラストのヘイフラワーが小学校へ向かう朝のシーンは良いですね☆

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グエムル 漢江の怪物

Photo_252 「グエムル 漢江の怪物」です。

ソウルの中心を南北に分けて流れる雄大な河・漢江(ハンガン)。休日で人の賑わう河岸に突然、正体不明の巨大怪物“グエムル”が現れ、人々を襲い始める。(映画生活)

前作「殺人の追憶」、前々作「ほえる犬は噛まない」と観ています。
前作の「殺人の追憶」では長編すぎるほどの長編だったにも関わらず、最後まで緊張感がありました。特に雨のシーンは、雨を上手く使ってるなあと感心したものです。

で、本作。全体的にはまぁまぁでした。
グエムルが出てくる過程とかは、B級映画でよくあるパターンで、そこを「アメリカ批判」だと言うならば、漢江にグエムルが出現し始めた際に、観光客の韓国人が一斉に缶ビールやお菓子を容器ごと「ホラ!エサだぞ。食らいつけ!」と言いながら漢江にボコボコ放り投げるシーンの方がよっぽど衝撃的では?と感じました。アメリカ人でもそこまでゴミを投げませんよ~。
本作にはヒーローも、問題提起も感じられないし、単なる娯楽作にしては曖昧で不要ともとれるシーンが多く、ポン・ジュノの持ち味である緊張感も、グエムルの登場以外は下降しまくり…。最後で、ちょっと感動のシーンを持ってこられてもそこまでの過程がギャグに近いので、全く「よかったね」と納得も出来ず、全体的にとっても消化不能な作品でした。

しいて言えばグエムルのキャラクターデザインが良かったです。でもこれも盗作疑惑出てますね…う、う~ん^^;

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ディパーテッド

Photo_251 スコセッシ監督「ディパーテッド」です。

貧困と犯罪が渦巻く、ボストン南部で生まれ育った2人の男。犯罪者一族に生まれ、自らの生い立ちと訣別するために警察官を志すビリー。マフィアのボス・コステロに育てられ、忠実な“内通者”となるために警察官を目指すコリン。2人は互いの存在を知らぬまま同じ警察学校で学び、それぞれ優秀な成績で卒業。コリンはマフィア撲滅の最前線に立つ。一方、ビリーに命じられたのは、マフィアへの極秘潜入捜査だった…。 02年の香港映画『インファナル・アフェア』をM・スコセッシがリメイク。(映画生活)

「インファナル・アフェア」アンディ・ラウ、トニー・レオンのハードボイルドサスペンス、最高に面白かったです。なのでスコセッシ映画はあんまり好きではないですが、元ネタを信じて観ました。が…。
全体的にはそこそこ面白かったです。アメリカ独自の編集がされていて、アクションはやはり見どころだったりしました。だけど、決定的に腑に落ちないのが、アンディ・ラウとマッド・デイモンとエリート捜査官が重ならないという事。
むしろディカプリオが仮面を被ったエリート捜査官をやったほうが良いのではと思うほど、マッド・デイモンは、役にあってない上にアンディ・ラウの魅力を越えてないのが致命的かなとおもってしまいました。反してディカプリオ、まるきりトニー・レオンと毛色が違うながらもオリジナルとして素晴らしい演技だったと思います。「インファナル~」好きの私としては彼の演技は完璧だったのではないかと。
なのに受賞したのはディカプオの演技ではなく、「作品賞」ほか3部門受賞。うーん。スコセッシへの功労賞だという事は百も承知だけど、作品賞与えるなら彼の演技にも賞をあげてほしいと切実に感じてしまいました。おかげで全く感情移入できず終了。うー。

マッド・デイモン、「ラウンダーズ」以降、個人的にダメ役者に降格しまくりです。大好きだったのに…。

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ワサップ!

Photo_250 ラリー・クラーク監督「ワサップ!」です。

キッズ』や『KEN PARK』でアメリカのストリートの若者たちを捉えてきた、ラリー・クラーク監督の新作。“ラティーノ”と呼ばれるラテンアメリカ系移民の若者たち7人を主人公に据えた、疾走感あふれる青春映画だ。スケボーとパンクロックを愛する無垢な少年たち。彼らが街を駆け抜ける姿に、アメリカに生きるラティーノたちの生き様と強さを映し出していく。キャストには、実際にサウス・セントラルに生きるティーンエイジャーたちを採用。全編にわたってかき鳴らされるパンクロックも、現地のラティーノバンドの楽曲を使用。製作総指揮をシャロン・ストーンが務めている。 (映画生活)

ラリー・クラークの映画はいつも何故か観てしまいます。私の中では「キッズ」が一番苦手でしたが、このギリギリ感は凄く好きです。でも観た後いつも凹みます…。
そんなこんなで、今回も意を決して観た本作「ワサップ!」ですが、あれあれ…?

ゲットーに住むラティーノ達と黒人のイザコザも、偏見や貧富の差なども、全然重く描かれていなません。むしろ中学生が描いたマンガみたいに全体が凄く軽い…。特に白人の描き方が、思いっきり反白人主義と思われる描き方をしていました。そこに映画としての深さや映像で魅せる技術などは皆無で、単にアホヅラの白人を姿形で表現しただけの短絡的な表現方法に愕然…。これは映画じゃなくて、「中学生日記」だよ…^^;

でもあまり観ることの出来ないラティーノ達のスケボーシーンや、ライブシーンと懐かしい音楽に、心躍らされる全編ではありました。そして特に彼らの音楽とスケボーの接点(服装なんか特に)なんかもキッチリと描かれている。こういう所にラリー・クラークを支持してしまう私が存在しているのかも。とにかく終わってみれば「面白かった」と思えちゃう映画ではありました。

で、どの辺がシャロン・ストーン…??

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見つめる女

Photo_249 イタリア映画祭出品作。「見つめる女」です。

トリノに住み同時通訳の仕事をするヴァレリアは、向いに住む男・マッシモに恋をしていた。窓から彼の観察する事が彼女の唯一のたのしみであった。
ある日彼の同時通訳を務めた事をきっかけに急接近を始め、彼がローマに引越したと知ると自らも列車に乗って…ひとりの女性の恋の行方と、微妙な心の動きを映像からも表現された作品。(asahi.com)

私、こういうジトーッとした内向的な恋愛映画結構好きです。同じようにほとんどしゃべらないヒロインの「リード・マイ・リップス」や「ウィスキー」もお気に入りの映画でしたし。
パオロ・フランキ監督の作品はこれが初めてですが、終わるまでフランス映画かと思うほど雲の晴れない作品でした。こういう暗さ、大好き!(笑)

隣のアパートに住む彼を追って、トリノからローマまで移住したあげく、彼の生活に介入し、彼女の助手にまでなってしまうヒロインのヴァレリアですが、せっかくのチャンスも自らの罪悪感により逃してしまいます…。
印象深いシーンはやはり彼女とHしている最中のマッシモの心変わりでしょう。「続けて」とせがむ彼女フラヴィアを見つめるマッシモの目がどんどん冷めていくのが手に取るようにわかる…。とても残酷なシーンです。

肝心のヴァレリアが、最後の最後でマッシモと付き合わなかったのは、嘘をついてコソコソ追いかけ回している自分への嫌悪感、そしてフラヴィアとマッシモを心から別れて欲しいと願った行為が現実となり、フラヴィアへの罪悪感と「届かない相手」だった彼が、振り向いたことで急に冷めた?もしくは「そこまで望んでいなかった(?)」のではと思いました。あとは、アレですね、フラヴィアがいい人すぎたんでしょう(笑)。ほんと、彼女は良くできた人です。綺麗だし未亡人だし犯罪心理学の大学教授だし。

個人的にはヴァレリアの職業である「同時通訳」という特殊能力をもっと映画に生かしてくれれば、もっと面白かったのに。と思ってしまいましたが、これはサスペンスじゃなくて恋愛映画だから、やっぱこれでいいのかも。ネットリしていて面白かったです★

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用心棒

Photo_248 黒沢明監督「用心棒」です。

廃した宿場町を舞台に、流れ着いた浪人が巻き起こす騒動を描いた、黒澤明監督が贈る痛快娯楽時代劇。出演は三船敏郎、東野英治郎、山田五十鈴ほか。(映画生活)

個人的には黒沢時代劇は「七人の侍」以来2作目です。少なっ。
タケシの「座頭市」を観たらもっと時代劇が観たくなってチョイスしました。

「七人の侍」も面白いわ格好いいわで、興奮しましたがこちらも、いい加減な侍のクセにやたら強くて、その上弱い者の味方(というか目障りだっただけ?)なのに、口が悪く貧乏クジを引いてしまうけどやっぱり生き抜いて見せる。いやー非常に楽しく観れました。
そして、この町民の小汚い(失礼)感じや、やたら美人が少ない(造酒屋の娘以外)のもいちいち面白いんですよね。貧しい庶民の匂いがプンプンするところが好きです。やっぱり時代劇はこうでないと。登場人物のキャラクターがアニメっぽいのがまた見やすくて楽しいです。
そしてめしやの主人は、昔の水戸黄門(東野英次郎)ちゃま!懐かしい~。
三船敏郎が侍を演じると、毎回本物の侍に見えます。そして凄く引き込まれる。面白いですね~★

「椿三十郎」も観ようかな。

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座頭市

Photo_247 「座頭市」です。

北野武が『座頭市』をリメイクした痛快アクション時代劇。盲目の居合の達人・座頭市は親の仇を探す姉妹と知り合い、彼女たちの復讐を手助けすることに。彼はヤクザの銀蔵一家や剣客・服部源之助と対峙していく。(ぽすれん)

キタノ映画は嫌いではないですが、そう「好き!」と言い切れない私です。
なんか派手というか、わかりやすい設定が多すぎるというか、それでいてアートちっくも嗜んでいるという「型」がなんか喰えないんです。自分に酔ってるのが丸見えというか、計算が見えるというか、それでも面白い映画も多いので、やっぱり映画人として見ると許してしまうのですが。
そんなこんなで、なかなか観ることをためらった「座頭市」ではありますが、やっぱり面白かったです。浅野の演技とか、武の座頭市とか、気になる箇所は置いというても、内容がエンターテイメントとして面白いです。(最近エンタメばっかだな)
話の流れも実にスムーズで、観ていてどんどん引き込まれていきました。最後のタップ演出もいいですね。何故か爽快な気分になります。

そして最後の座頭市が石でコケるシーン「見えねぇものは見えねぇんだな」のセリフもインパクト大。でもどういう意味なんだろう。

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寝ずの番

Photo_246 「寝ずの番」です。

故人の悲喜こもごもの思い出話に花を咲かせて、興が乗ればカンカン踊りや、三味線片手に歌って踊る大パーティー!そんな、エッチで危なっかしい爆笑エピソードの連続の中に、仲間の絆がほろりとさせる…。(映画生活)

大人向け(熟年層)のエロコメですね。コレ。(笑)
プロの落語家の話なので、それぞれのキャストの話もしゃべりも上手いのでトントンとエロ話が進んでいく様は観ていて潔い(?)です。ここまであっけらからんとしゃべくられると、気恥ずかしさなんか吹っ飛んでしまいます。まぁ、そんな落語家の語り口調やネタを映画に盛り込みたかったんだろうなあと思いました。
全体的にはとても面白いのですが、「チン○、チン○、マン○マン○~♪」と延々歌ってる画は、いささか…。まぁ、それも一興!ということで…。

だけど、あの死人踊りは、以前よくおばあちゃんに聞かせて貰った「カンカン踊り(駱駝の葬礼(らくだのそうれん)」だった事もあり、ちょっと懐かしくなってしまいました。
また話してもらおう^^。あの話は面白いね。

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県庁の星

Photo_245 「県庁の星」です。

順風満帆の人生を歩むキャリア公務員・野村聡。ある日、人事交流研修のために三流スーパー「満天堂」へと赴くが、店員たちはやる気がなく、さらに野村の教育係・二宮あきは年下のパート店員だった。さまざまな不幸や困難の中、二人は危機に瀕したスーパーの改革に乗り出す…。(映画生活)

こういった話題作は熱が冷めたころ観るようにしています。気持ちが高ぶってるときに観ると、変に期待しすぎて「つまらなかった」という事になりかねるので、冷静に冷静に…。
ということで、頃合いを見計らっての試観ですが…なかなか面白かったです。
織田裕二の出る(ラブ以外の)映画は結構見やすいのでよく観ていますが、本作も同じく最後まで見やすかったです。
細かい部分は抜きとしても、それぞれのキャラや役割がきちんとされていたし、単純な設定ながらも、観客の期待を最後まで裏切らない(色んな意味で)構成は、エンターテイメントとして考えると必須要項なのかなと思ってしまいました。

ぶっちゃけてしまえば、たいした内容では無いし、キャリア重視だった主人公が、ある事件をキッカケに一気に客中心の考えに変わってしまうところも潔すぎてなんとも…ですが、いいんです。エンタメはこれで!(笑)

ということで終わってみても爽快な気分にさせてくれた作品でありました。

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ディー・グレイマン

Photo_244 アニヲタの母親の影響で、ジャンプ系アニメの「ディー・グレイマン」にハマってしまい、放映時の土曜朝7時に間に合わないのでもっぱらDVDにて鑑賞中なもももです。

人間の「死んだ人間を蘇らせたい」という想いを利用した千年伯爵(まぁ、死神です)が、死んだ魂を蘇らせる代わりに、呼んだ人間(まぁ、だいたいが肉親や恋人なんですけど)を自ら喰わせて「皮を被らせ」ます。そして、それを救済・退治していくのがエクソシストと呼ばれる人間達で、主人公アレンもその一人なのです。

とまあ、休日の朝から放映するような爽やかな内容では決してないですし、他のジャンプアニメとどこが違うかと言えば、内容がちと暗め…なんですねぇ。アレンの両親や育ての親との境遇や、周りのキャラや、事件や、対決する相手等々…その辺り、「鋼の錬金術師」と結構カブってて、ハガレン好きだった私としてはウハウハなアニメなのです。

そして6/6に待望の5巻♪あ~楽しみっ。

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