見つめる女
トリノに住み同時通訳の仕事をするヴァレリアは、向いに住む男・マッシモに恋をしていた。窓から彼の観察する事が彼女の唯一のたのしみであった。
ある日彼の同時通訳を務めた事をきっかけに急接近を始め、彼がローマに引越したと知ると自らも列車に乗って…ひとりの女性の恋の行方と、微妙な心の動きを映像からも表現された作品。(asahi.com)
私、こういうジトーッとした内向的な恋愛映画結構好きです。同じようにほとんどしゃべらないヒロインの「リード・マイ・リップス」や「ウィスキー」もお気に入りの映画でしたし。
パオロ・フランキ監督の作品はこれが初めてですが、終わるまでフランス映画かと思うほど雲の晴れない作品でした。こういう暗さ、大好き!(笑)
隣のアパートに住む彼を追って、トリノからローマまで移住したあげく、彼の生活に介入し、彼女の助手にまでなってしまうヒロインのヴァレリアですが、せっかくのチャンスも自らの罪悪感により逃してしまいます…。
印象深いシーンはやはり彼女とHしている最中のマッシモの心変わりでしょう。「続けて」とせがむ彼女フラヴィアを見つめるマッシモの目がどんどん冷めていくのが手に取るようにわかる…。とても残酷なシーンです。
肝心のヴァレリアが、最後の最後でマッシモと付き合わなかったのは、嘘をついてコソコソ追いかけ回している自分への嫌悪感、そしてフラヴィアとマッシモを心から別れて欲しいと願った行為が現実となり、フラヴィアへの罪悪感と「届かない相手」だった彼が、振り向いたことで急に冷めた?もしくは「そこまで望んでいなかった(?)」のではと思いました。あとは、アレですね、フラヴィアがいい人すぎたんでしょう(笑)。ほんと、彼女は良くできた人です。綺麗だし未亡人だし犯罪心理学の大学教授だし。
個人的にはヴァレリアの職業である「同時通訳」という特殊能力をもっと映画に生かしてくれれば、もっと面白かったのに。と思ってしまいましたが、これはサスペンスじゃなくて恋愛映画だから、やっぱこれでいいのかも。ネットリしていて面白かったです★
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント