紀子の食卓
食卓を囲んでの一家団欒…。それは、現代を生きる日本人の多くが共通して持つ「幸せな家族」の姿。しかし、その様子は本物なのか?幸せそうに笑う家族に嘘はないのか?そして自分は本当に自分自身なのか…?そんな現代の家族と社会に結合している虚構と疑問をあぶりだしたのが、この『紀子の食卓』である。(映画生活)
知らず知らずの内に「幸せな団らん」を演じてしまう家族。その団欒の真ん中に潜むくらーいくらーい闇を描いた作品です。セリフと演技のミスマッチさが気になりましたが、そういう映画なのでしょう。やたらリアルなのか嘘なのか、何故か全てがむなしく空回りしているように見えました。多分これも演出の一つでしょう。
内容はどこまでいっても私には理解のしがたいものでした。自殺自体が私には到底理解できないので、あたりまえなワケですが。
しかし本作の場合はそれで合ってるんじゃないかなあとも感じました。どこまでも屈折して、膿みまくった世界に住む人間たちの心を描いているのですが、決して私にも「わからない」わけではないその心理状況を常に一定の速度で描かれていく様は、見ていて小気味悪い居心地の良さを感じさせられました。
反対に私は、紀子に対して少し相手(この場合親)に望みすぎてるんじゃないかなあとも思ってしまいましたが。それも私の理解しがたい所なのかな。わからん。
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