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パンズラビリンス

Photo 「パンズラビリンス」です。

1944年スペイン内乱の最中、現実の世界に嫌気を差した少女オフェリアが幻想の世界へ旅立つには3つの試練を乗り越えなければならず…。

本作、最高に良かったです。
同監督の前作でもある「ヘルボーイ」も個人的にととても好きな映画でしたので、そこそこ期待して見に行きましたが、それでも納得の行く良作となっていました。しかも私にしては珍しくラストで泣いてしまい、ダンナさんにも驚かれたほどで。

本作で良かった部分は多いのですが、そのなかでも一番心にグッときた部分は現実と幻想の世界の違いについてでしょうか。現実世界と幻想世界が、どこまでも平行線で全く違う未来が描かれている事です。この筋立てが素晴らしく骨太で、観ていてどんどんデル・トロの世界にハマッていくことを実感せざる得ない。そこに描かれていたのはまさに「リアリズムとファンタジーの競合」といった展開で、今までのダークファンタジーとは明らかに一線を画している、シビアな大人な世界を見いだすことが出来ました。

個人的にも素晴らしかったのはやはり怪物達の「濃さ」ですね。前作「ヘルボーイ」でもデル・トロのモンスターに対する飽くなき追求心を思う存分みさせられていたので、本作でもそれを拝めることが出来、一人歓喜してしまいました。特にオフェリアの「2番目の試練(ポスター掲載)」ででてきた子供を喰らう怪物の造形は素晴らしい!あの動き!あのしぐさ!う~ん最高です!!

最後に、本作、ファンタジーには珍しく、バイオレンスな描写が多いため「単なるファンタジー」だと思って見に行かないようご注意ください。

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コメント

TBありがとう御座います。
瞬きをするのを忘れるくらい、「パンズ・ラビリンス」には引き込まれました。
ラストシーンの判断は、見る人によって色々意見が分かれそうですね。

投稿: きまぐれ | 2007年11月 5日 (月) 14時37分

この作品、本当に素晴らしい出来でした。子供の頃に見た悪夢のようなファンタジーの世界と、過酷な現実世界がどちらもしっかりと描かれていました。

『ヘルボーイ』も観ないといけませんね。

投稿: 丹下段平 | 2007年11月 5日 (月) 23時15分

こんにちは。TB&コメントありがとうございました。

僕、この映画会社の女の子と観に行ったんですよ。まさかこんな悲惨な映画だったとは。終わった後で女の子は苦笑いしてましたよ。ギレルモ・デル・トロが監督していると言う時点でこういう展開は予想すべきでした。

でも個人的には満足な作品でした。戦争映画とファンタジー映画を見事に融合させていましたね。ダークな世界観とビジュアルがたまりませんでした。

投稿: えめきん | 2007年11月 6日 (火) 07時08分

>きまぐれ様

こんにちは。こちらこそコメありがとうございました!
本作、思った以上に根深い作品のようで調べれば調べるほどいろいろな解釈が生まれてきます。いい作品でした。

またお邪魔させて下さい。

投稿: ももも | 2007年11月 6日 (火) 13時19分

>丹下段平様

こんにちは。いつもお世話になっております。
こちらこそ有難う御座いました。

「過酷な現実の上に幻想は広がる」デル・トロの言う言葉がそのまま生きた作品でしたね。いや~本当、そう感じました。

「ヘルボーイ」は主人公のヘルボーイが一番ショボいというのが決め手な作品です。キャラ設定をお見逃し無く☆

またお邪魔させて下さい。

投稿: ももも | 2007年11月 6日 (火) 13時22分

>えめきん様

こんにちは。いつもお世話になっております。
こちらこそ有難う御座いました。

>僕、この映画会社の女の子と観に行ったんですよ

確かに普通の女の子だとちょっと引くかもしれませんね。私だったら「この人はなんて素晴らしい映画を知ってるの!?」と感動しまくったでしょうけど(笑)

いい作品に巡り会えて、光栄な時間を過ごせました♪
また宜しくお願いします。

投稿: ももも | 2007年11月 6日 (火) 13時28分

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