パンズラビリンス

Photo 「パンズラビリンス」です。

1944年スペイン内乱の最中、現実の世界に嫌気を差した少女オフェリアが幻想の世界へ旅立つには3つの試練を乗り越えなければならず…。

本作、最高に良かったです。
同監督の前作でもある「ヘルボーイ」も個人的にととても好きな映画でしたので、そこそこ期待して見に行きましたが、それでも納得の行く良作となっていました。しかも私にしては珍しくラストで泣いてしまい、ダンナさんにも驚かれたほどで。

本作で良かった部分は多いのですが、そのなかでも一番心にグッときた部分は現実と幻想の世界の違いについてでしょうか。現実世界と幻想世界が、どこまでも平行線で全く違う未来が描かれている事です。この筋立てが素晴らしく骨太で、観ていてどんどんデル・トロの世界にハマッていくことを実感せざる得ない。そこに描かれていたのはまさに「リアリズムとファンタジーの競合」といった展開で、今までのダークファンタジーとは明らかに一線を画している、シビアな大人な世界を見いだすことが出来ました。

個人的にも素晴らしかったのはやはり怪物達の「濃さ」ですね。前作「ヘルボーイ」でもデル・トロのモンスターに対する飽くなき追求心を思う存分みさせられていたので、本作でもそれを拝めることが出来、一人歓喜してしまいました。特にオフェリアの「2番目の試練(ポスター掲載)」ででてきた子供を喰らう怪物の造形は素晴らしい!あの動き!あのしぐさ!う~ん最高です!!

最後に、本作、ファンタジーには珍しく、バイオレンスな描写が多いため「単なるファンタジー」だと思って見に行かないようご注意ください。

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ミノタウロス

Photo_2 「ミノタウロス」です。

神話の怪物・ミノタウロスの伝説を描いたモンスターアクション。邪悪な力に支配された古代ミノス王国。テナ村の村長の息子・テオは、生贄として連れ去られた村の美女・フィオンを救うため、半人半獣の怪物・ミノタウロスが棲む迷宮に足を踏み入れる。(ぽすれん)
ジャケ借りです。
神話のミノタウロス。こういうの意外とワタシ好きなんですが、本作、実に真面目に作ってありまして、なんだか眠くなってしまいました…。
面白くないとか、映像がダメとかでは無いんですが、「面白味が無い」とでも言いましょうか。キッチリ描かれすぎてて、次の展開がワクワクしないんですよねぇ。もっとエッチとか、どこか気の抜けた箇所とかあればいいのに。
ワタシが食傷気味なのかしら?

伝説物が好きな人、限定ですね。

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どろろ

Photo 「どろろ」です。

戦乱の世で天下統一の野望を抱く武将・醍醐景光は四十八体の魔物から強大な力を与えられるが、その見返りに生まれくる我が子を捧げた。やがて体の四十八ヶ所を奪われて生まれた赤子は捨てられ…(映画生活)

原作がマンガのCG&特撮系での映画化…となると、あまり高い期待が出来ない(「あずみ」とか「鉄人28号」とか)邦画界で、本作も全く期待してなかった私ではありましたが、これが意外と良くできてた…。

勿論CG&特撮は「仮面ライダー電王(TV版)」並みでしたが(つーかもっと何とか出来ないのかな…?^^;)、肝心のお話はなかなか原作に忠実に出来てたと思います。うろ覚えだった部分も本作で明瞭に思い出せたし、好きなエピソード(丘の上の塀とか)が多く盛り込まれてたのも良かったです。

あとはなー、やっぱりあのツギハギみたいなCGだけだよなー。妖怪達の動きがとにかくショボすぎる。こんなん恥ずかしくて海外なんかに出せないよ…。途中から本気で「仮面ライダー」見てる気になってきたもん…。オイオイ…。(泣)

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ハリーポッターと不死鳥の騎士団

Photo_279 「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」です。

ホグワーツでは「闇の帝王」ヴォルデモートが蘇った事実が全く知られていなかった。ファッジ魔法大臣は、ダンブルドア校長が自分の地位を狙って嘘をついていると疑う。ダンブルドアとホグワーツの生徒たちを監視するために、「闇の魔術に対する防衛術」の新任教師、ドローレス・アンブリッジ先生を送り込む。ドローレス先生の仕打ちから、窮地に陥れられたハリーは…。 (映画生活)

今回、ハリー達を追いつめるのはアンブリッジ先生とヴォルデモード、そして魔法省の体質とかでしょうか。しかし追いつめる核となるモノが定まらず、終始不安定な感情のまま話は進んでいきました。その中でもアンブリッジ先生、ムカつくなー。

大好きな魂吸鬼の登場が序盤だけだったのに、軽く落ち込みましたが「話が面白ければ」と気持ちを切替え見続けたものの…うーん。

全体的な流れは明解でわかりやすく見やすかったと思いますが、大嫌いなアンブリッジ先生への報復を「紙面で知るだけ」というのは、ちょっとすっきりしません。あれじゃあ、このムカつきは収まらないわよー!!といった感じ。
しかも、なんだか終始魔法省に流され続けた?踊らされ続けた?内容だったようにも思えて、なんだか全体が薄っぺらい印象に…。

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エラゴン 遺志を継ぐ者

Photo_223 「エラゴン 遺志を継ぐ者」です。これって3部作かなんか?

ドラゴンと心を交わし天空を舞う、選ばれしドラゴンライダーの壮大な旅が今始まった。全世界で空前のベストセラーとなった、クリストファー・パオリーニの『エラゴン 遺志を継ぐ者』を、豪華キャスト&スタッフで映画化!壮大なスケールで描いた史上最大級のファンタジー・スカイ・アクション!(映画生活)

金をかけてるだけあって、壮大なスケールの映像美はなかなかのものです。しかし新鮮味はほとんど無いのが特徴的でした。
期待はしていませんでしたが、案の定お話は至って軽い、よくある感じのアドベンチャーです。主人公エラゴンの発言が、愚かで(若いしね)ちょっとイライラしましたが「勇者」だから許します。
ドラゴンライダーの首都アラゲイシアで、敵の魔術師ダーザとエラゴンが格闘するシーンがありますが、この空中戦、なかなかの見物です。ちょっとハラハラしました。

しかしドラゴンのサフィラ、かわいくないなあ…。その上よく喋るんで、肝心な事を全部言葉で言ってしまう辺り、内容の薄さを垣間見させてしまう気が…。

本の方が数段面白そうなのはいうまでもない映画です。

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Photo_215 DVDデッキとの相性が悪いらしくやっと見終わりました「弓」です。

10年前、老人が連れてきた少女は釣り人を運ぶ船の上から一歩も出ないまま、17歳になったら応神と結婚する予定だったが、釣り人の中に一人の青年が乗った日から、二人の関係は微妙に変わり始める。(映画生活)

犯罪をファンタジックに描くギドクのテイストで、今回も素敵なファンタジーに生まれ変わるかと思ったのですが、これが私にはどうしても共感できない部分が多く、個人的にはイマイチな作品でした。「うつせみ」の時は許せた謎が、今回はどうしても解せないんです。

どうしても老人と少女ののやる事全てがいまいち納得できなくて、しかもあの後半…。少女の喘ぐ姿を見て、弓矢の血を見てもヒワイにしか見えず…泣

全く楽しめなかったワケではないんですがイマイチ良かったという気分にもなれなくて…なんでなの…;;

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転がれ!たま子

Photo_201 山田麻衣子かわいい^^!「転がれ!たま子」です。

桜井たま子はどこへ行くにも鉄かぶとをかぶっている甘食大好きな女の子。もう長い間、彼女は半径500m足らずの小さな世界から出た事がなかったが、彼女は突然周囲から取り残され、誰もあてにできなくなってしまう。大好きな甘食を食べたい一心で、たま子は外の世界に足を踏み出そうとするが…。(映画生活)

初めは「亀は意外と速く泳ぐ」に近いゆるゆるコメディ系か、もしくは「バーバー北野」みたいな奇抜だけど何にも起こらない平坦な映画かと思ってましたが、本作は意外にも起承転結がハッキリしているのに、それを強く求めない、しかもちょっと奇抜で意外とターゲットは若者だけじゃない、どこかのんびりしてる渋めの無い「ウィスキー」のような作品でした。(わかりにくいな…^^;)

今時「甘食命!」で、あまり喋らず動作も鈍い…まるで赤ちゃんの様なたま子の周りで、いろいろな変化=成長が起こり、たま子は嫌でも変わらなければいけなくなるワケですが、その辺のタッチが実に巧妙です。「変わっていく環境」の描き方が実にシビアなのに対し、当のたま子は相変わらずゆるゆるな見た目。だけどその目には「変わろう」という決意が少し見え始める。こういう描き方好きだなぁ。実にリアルだと思います。

たま子の住む地帯の下町っぽさも、なんともノスタルジックで見ていてほっとしました。

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レディ・イン・ザ・ウォーター

Photo_153 「サイン」のM・ナイト・シャラマン脚本「レディ・イン・ザ・ウォーター」です。

アパートの管理人であるクリープランドは、ある夜庭にあるプールで女性の人影を見る。不審者と思い、プールに飛び込んで探っているうち溺れてしまい、ふと気がつくと…。

「サイン」と「シックスセンス」は割と好きでした。(「ヴィレッジ」はひどかったけど)だからか、シャラマンの持つ世界観には割とすんなりとけ込むことができました。今回もしっかりシャラマン出てきてるし…(しかも演技はなかなか上手い)。

それでこの映画、おとぎ話とアパートの住人を上手に結びつけてるなあと感心しました。話がちょっと複雑ですけど、どこかメルヘンな気分にしてくれる映画だと思いました。終わってしまうといろいろと謎が解けてないような気もするけど、なんかいつもちょっぴりほんわかするんです。

しかも主人公のポール・ジアマッティ、「アメリカン・スプレンダー」の彼でしょ。やっぱいいわ、この俳優!

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ナニー・マクフィーの魔法のスティッキ

Photo_142 案外大人も楽しめます。「ナニー・マクフィーの魔法のスティッキ」です。

1年前に母親を失ったブラウン家の子供たちは、父親がナニー(ベビーシッター兼家庭教師)を雇ってもイタズラを仕掛けて次々と辞めさせてしまう。しかし、魔法のステッキを持ったブサイク顔のナニー・マクフィーが現れ…。(映画生活より)

冒頭から、ガキ達がかなりムカつきます。でも、「スパイキッズ」とか「スカイハイ」みたいな小生意気な子供じゃなく、母親を亡くし、父親への不信感からイタズラばかりしてしまう7人兄妹という設定なので、それなりに感情移入も出来ます。しかもマクフィーの顔が驚くほどのブサイクメイクで、今までの「良い魔法使い」の構図を真っ向から逆走してたのは新鮮でした。だって、眉毛は繋がり、イボからは毛が三本、前歯は一本だけ口から出てるし、肌はガサガサ無表情。うん、珍しい。

終わってみれば童話チックな部分もあり、シビアな面もありで、単なる子供向けではないこの作品。なかなかグーですよ☆

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ルート225

225_1 ブルーリボン賞です。「ルート225」です。

弟を探しに家を飛び出した姉が、弟を見つけ家に戻ると家が海になっていた!少しずついままでの「世界」が変わっていく世にも不思議な物語系ファンタジー?映画です。タモリはいません。

いつものようにあらすじを見ずに観たのでこの展開には驚いた。単なる女の子の思春期か青春映画かと思っていたので意表をつかれました。
主人公の女子より岩田力くんというぽっちゃりな弟くんの方が光ってた気がしました。
お話自体正に「世にも~」で見たことあるような内容なのでさほど新鮮ではないですが、キャラに助けられた部分が多かったのでは?と思いました。

個人的にはあのラスト、好きです。バッドでもなくハッピーでもない「THE END」。この後の兄弟のことをいろいろ想像できるし、この街の兄弟の話をより膨らましてくれてる、と思いました。

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